この資料は2005年1月〜3月にかけて談話室に投稿されたものを湖東がまとめました。

1.ツイストとは
 ツイストは、ライフルリングの回転を表すものです。
 ツイスト14は14インチあたり1回転します。
 一般にツイストが小さすぎるとグルーピングが悪くなり、
 大きすぎると回転不足でキーホール(横転)になります。
 重たい弾、細長い弾は一般的にツイストが小さくなります。
 ツイストが大きすぎるより小さすぎる方がまだましです。
 一般的な選択基準を示します。
      口径
 ツイスト 6mm    30       6mmVLD
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 8    107gr
 10   90−    185−
 12   70−90  168−185  69
 14   60−70  ー168
 小口径22リムファイヤーは16です。

 ベンチなどの射撃専用銃は弾がほぼきまっていますのでツイストもそれにあったものを使います。(6mm、308通常14)
 ハンティング銃の場合は弾を変更することが多いので最も重い弾にあったツイストを選びます。(308通常12〜14)

2.ツイストの理論
 Understanding Firearm Ballistics by Robert A.Rinker $29.95
 そのなかに、ツイストの計算方法(グリーンヒルの式)が出ています。
 イギリスのサーGreenhill数学教授(1847-1927)が導いたものです。
  弾頭比=弾頭の長さ/弾頭径
  ツイスト=定数*弾頭径/弾頭比=>定数*弾頭径の2乗/弾頭の長さ
   定数=150(その後の研究で1800fps以上は180がよいとされている)
 さらに最近は、3200fpsを超えるときは350fpsごとに1を加える。
 という簡単なものです。
 弾の形状、比重そのたもろもろは無視されていますが今でも良い近似が得られると評価されています。
 ーーーー例ーーーー
 バーガー6mm、68gr 径=0.243 長さ=0.837
  ツイスト150=10.6 ツイスト180=12.7 (メーカ推奨=13)
 シエラ308、168grMK 径=0.308 長さ=1.197
  ツイスト150=11.9 ツイスト180=14.3
 バーガー308、155grVLD 径=0.308 長さ=1.232
  ツイスト150=11.6 ツイスト180=13.9 (メーカ推奨=14)
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 実際はメーカなどが色々ためして推奨ツイストを決めているようです。
 ベンチでは初速3000〜3400fpsですからツイストは大きめ(14)が使われています。
 85年以上前に素晴らしい式を導いたグリーンヒル教授に感服・尊敬!!

3.メーカーの推奨ツイスト
 メーカーによってもツイストは少し異なっています。
 またVLD(VeryLowDrop)の弾は細長くツイストが小さくなるようです。
 http://www.shilen.com/calibers.htm
 http://www.bergerbullets.com/catalog.htm

 6mm/.243
  Shilen
   8" Special for VLD bullets over 100 gr. 
   10" For bullets up to 120 gr. and VLD under 100 gr. 
   12" For bullets up to 85 gr. 
   13" For bullets up to 75 gr. 
   14" For bullets up to 70 gr. 
   15" Special for bullets up to 70 gr. 
  Berger
   14 62
   13 65,66,68,70,74
   12 69LD,12 71,80
   10 88,90
   9 105 VLD
   7 115 VLD 
 .308
  Shilen
   8" For bullets heavier than 220gr. 
   10" For bullets up to 220 gr. 
   12" For bullets up to 170 gr. 
   14" For bullets up to 168 gr. 
   15" For bullets up to 150 gr. 
  Berger
   19 110,125
   16 135 
   15 150 
   14 155,155VLD 
   13 168,175
   12 185,190
   11 210

4.WildShotさんの推奨ツイスト
 ツイストなんですがもし本格的なハンター/クラス・ベンチガンを持ってるとか、
 カスタムの140gr前後を撃つとなれば1−14"で大変結構です。
 しかしながら168grとなるとぎりぎりです。
 300m超える射撃はやらない・・・また風のない長瀞でしか撃たない・・・であれば大丈夫ですよ。
 しかし野外で左右の向かい風の場合、ツイストは1−12がいいですね。1−13"でもいいです。
 しかしながら1,000ヤードになると1−12”、1−11.5”、1−11”の世界です。
 1−12"でも175grで1,000ヤードいけます。BT弾は同じ重量のFBよりほんの少しピッチのきついツイストが必要です。
 あまりギリギリの組み合わせだと寒冷下では横弾になることがあるので要注意です。
 私のタクテイカルは2丁とも1−12"ですが100ヤードでも皆さんが願望するグルーピングをクリアしてます。
 タクテイカル・シユーターのほとんどは308を使います。
 彼らが選ぶツイストは1−12”です。参考までに
 wildshot

5.ツイストの測り方
 精度は悪いのですが簡単なツイストの測り方を紹介します。
 洗矢のロッドの後方に紙などで♂のものを貼り付ける。
 銅ブラシを付け銃口にいれ抵抗があったところでロッドにしるしをつける。
 洗矢を静かに入れる。♂が一回転したところでまたしるしをつける。
 2つのしるしの距離を計る。(360mm)
 360/25.4=14.2=ツイスト
 誤差はかなりあります。12と14の区別はつきます。

6.弾の回転数
 エンジンの回転数はせいぜい10,000RPMですから弾は20倍近くも回転します。
 しかし、弾は径が小さいので回転速度は小さくなります。
 回転に必要なエネルギーは全体のエネルギーの1%以下ですので問題ありません。(式は省略)
 ただ、あまり回転させると遠心力で弾がバラバラになるかも知れません。
 エンジンがレッドゾーンを越えると破壊するのと同じです。

 ーーーーーーー式ーーーーーー
 回転数(rps)=12x初速(fps)/ツイスト(inch) ー> 回転数(RPM)=回転数(rps)x60
 回転速度(fps)=πx直径(inch)x回転数(rps)/12
 12は1feet=12インチの換算係数

 ーーーーーーー実例ーーーーーーー
 22小口径 初速(fps)=1200
  ツイスト=16、回転数(rps)=900、回転数(RPM)=54,000、回転速度(fps)=52
 6mm(243) 初速(fps)=3200
  ツイスト=10、回転数(rps)=3,840、回転数(RPM)=230,400、回転速度(fps)=244
  ツイスト=12、回転数(rps)=3,200、回転数(RPM)=192,000、回転速度(fps)=203
  ツイスト=14、回転数(rps)=2,743、回転数(RPM)=164,571、回転速度(fps)=174
 308 初速(fps)=2600
  ツイスト=10、回転数(rps)=3,120、回転数(RPM)=187,200、回転速度(fps)=245
  ツイスト=12、回転数(rps)=2,600、回転数(RPM)=156,000、回転速度(fps)=204
  ツイスト=14、回転数(rps)=2,229、回転数(RPM)=133,714、回転速度(fps)=175

7.40XBRのツイスト
 308WINの標準は1/12”です。オプションで1/10”と1/14”が選択できます。
 これはレミントンのカタログやHPでも確認できます。
 40X系列は、1種類(1/14”でオプション設定ナシ)を除いて全て同じです。

 その1/14”のツイストの40Xに付属の工場試射的で、レミントンの工場「マッチ」装弾の
 組み合わせでかなり良い集弾(.25”/100yd)のものを私は見たことがあります。
 HPでは工場「マッチ」装弾と組み合わせて、.75”以下だと解説されています。
 ところで、レミントンの工場「マッチ」装弾は.308WINでは168Gr.しか存在しないのです。
 1/14”のツイストでは目安として168Gr.あたりが上限です。
 良い意味でそれを裏打ちするような工場試射的でした。
 ランディ14
ツイスト   2005年7月