スコープの合わせ方   ホームに戻る    2001.6.10  2003.9.3改訂 湖東

1.ボアサイティング
 50mレンジで黒丸の大きい標的を貼ります。(100mでも可)
 ボルトをはずし、銃を台(フロントレストとリアレスト)にしっかりと据え銃口を覗き
 黒丸が入るようにします。
 銃を動かさない様に注意し、スコープを覗き+マークが標的の中心に来る様ノブを調整します。
 1発撃ちます。標的のどこかに着弾するはずです。
 スコープを覗き+マークが標的の中心に来るようフロントレストのねじで調整します。
 銃を動かさないように注意し、+マークが着弾点に来るようノブを調整します。
 +マークが標的の中心に来る様フロントレストのねじを調整し1発撃ちます。
 標的の中心の近くに着弾するはずです。 気に入るまで繰り返します。

2.50m−>100m
 50mで合わせたときのノブの位置(N50)を記録します。
 50mで合わせたまま100mで1発撃ちます。必ず標的の下の方に着弾します。
 そのときの降下量(Dmm)をあとで記録します。
 スコープを覗き+マークが標的の中心に来るようフロントレストのねじで調整します。
 銃を動かさないように注意し、+マークが着弾点に来るようノブを調整します。
 +マークが標的の中心に来る様フロントレストのねじを調整し1発撃ちます。
 標的の中心の近くに着弾するはずです。
 気に入るまで繰り返します。 ノブの位置(N100)を記録します。
 スコープの目盛りは通常MOAです。したがって、補正MOA=N100−N50となります。
 クリック数はスコープにより異なります。
  1クリックのMOA量=
1/4(リュポルド旧型) 1/8(ウエーバー、リュポルド新型)
  クリック数=補正MOA/スコープの1クリックのMOA量
 クリックを求める別の方法(こちらの方が簡単かも) 100mでの1MOA=27.8mm
  クリック数=降下量(Dmm)/27.8/スコープの1クリックのMOA量
 例:SBは170mmぐらい降下します。
  補正MOA=170/27.8=6   補正クリック数=6x4=24 (1/4のとき)
   
半時計周りに回す量です。

3.100m−>300m
 降下量が大きいので50−>100mのようには行きません。
 6ppcのように弾速の大きいものは降下量280mmぐらいですから的を細長いものにすれば
 2.と同じ方法が使えます。6ppc、6mmBRは4.を参照してください。
 308クラスだと300mmから1000mmぐらい降下します。
 標的の一番上にあわせて行います。
 だめなときは標的の上50cmぐらいの目標を探して行います。
 しかし、高倍率のスコープだと調整範囲を超えますので注意が必要です。

4.理論的背景
 カクタスでは、タークさんから200ydの時は5クリック上げなさいと教わりました。
 私以外は、それでピタットあったようです。(私は別の原因で的の外)
 プロフェッサーの性(サガ)で理論的背景を研究しました。
 結論
  条件
   
100ydで合わせてある。
   弾速:約3200ft/s、弾頭:6mm 約70gr、スコープの高さ:1.8インチ
   *弾速は弾速計で測るかリローディングマニュアルで調べます。
 クリック数早見表(反時計に回す量)
                 クリック数(スコープMOA)
        MOA量 1/4(リュポルド旧型) 1/8(ウエーバー、リュポルド新型)
 200yd:1.3MOA  5クリック          10クリック
 300yd:
3.6MOA 14クリック          28クリック
  (注)スコープの目盛は通常MOA表示です。300ydの時はMOAの方が便利です

 計算式                 参考例
  R1=合わせた距離        100yd  
  R2=合わせたい距離       200yd
  RR=距離比=R2/R1         
  D1=合わせた距離の降下量  100yd:1.83
  D2=合わせたい距離の降下量 200yd:8.05    300yd:19.98
  SH=スコープの高さ     1.8インチ
  *降下量はリローディングマニュアルで調べます。
                            200yd   300yd
  補正降下量=D2−RR*D1−(RR−1)*SH =2.59    10.9
  補正MOA=補正降下量*100/R2       =1.3     3.6
  補正クリック数=補正MOA/スコープMOA    =5       14
 参考
  200ydで補正降下量は6.5cmですから補正しなくても的に入ります。
  300ydのときは28cmですから的からはずれます。
  スコープの高さが高いほど補正量は少なくなります。
  左右の調整は1クリック程度です。
  高倍率のスコープで降下量の多い時は300ydでは調整範囲を超えることがあります。
  そのときは、マウントにスペーサーを入れる必要があります。


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論文(興味ある人のみ読んでください)
1.弾道の基本
 弾道は、初速、弾頭重量、形状により異なります。
 弾のメーカーのリローディングマニュアルから降下量を調べます。
 Sierraの例を示します。



 @100yd降下量 A200yd降下量 B300yd降下量
 またスコープの高さCも必要です。ここでは1.5”になっています。
 自分の銃で実測します。私のストールパンダは1.8”です。

2.降下量の計算



 R1(100yd)で合わせてあるものをスコープを調整してR2(200yd)の的に
 合わせることはR2の的をyだけしたにずらしたのとおなじです。
 従ってz(補正降下量)だけ補正すれば良いことになります。
 簡単な比例配分から、RR=R2/R1とすると x=RR*D1、
 y=(RR−1)*SH となります。
 z=D2−x−y=D2−RR*D1−(RR−1)*SH

3.MOA、クリックの計算
 スコープの基本調整単位はMOA(分角度)です。距離に関係ない単位です。
 スコープのノブについている目盛りは通常MOAになっています。
 USAでは、1MOAは100ydで1インチになります。(USA以外は少し大きい)
 ベンチレストで使用されるスコープは1クリック1/4または1/8MOAです。
 まず補正降下量(z)をMOAに換算します。
 補正MOA=z*100/R2
 これをクリックに換算します。
 補正クリック数=補正MOA/スコープMOA