バレルのチユーニングについて・・・ 2003/9/3 Wildshot
長瀞VSアリゾナの荒野
まず基本の話しから・・
使うブレット、パウダーの量、種類によって適応性の差があります。もっと煎じ詰めれば内径サイズ、ライフリングのリードアングルにも少なからず関係してきます。もちろん内径からきたフリクション、メーカーによっては1-14"といっても5%のプラマイがある可能性もあります。いわゆるツイスト・デービエションですね。
通常、風の中と無風のなかではチユーニング・ポイントが若干異なります。風の中ですと特定の方向でブレットのYawとの関係が生じましてグルーピンが乱される乱されないの問題が生じます。Yawはブレット自体のスピード、回転と関係、チユーンアップは単に各ブレットのスピードの差を小さくすることではないわけです。無風ではパーフェクトだったグルーピングが10時方向、2時方向からの向かい風で乱れるということがあります。
かなり昔から米国BR界の一部では実際の経験から無風のチユーンアップは意味をなさないという意見があります。1970年代中頃の話ですが我が師匠Ed Shilenがクロノグラフはカートリッジのチユーンアップにはたいしたプラスにはならないと既に述べてます。これはYawからきたものが大きなウエイトをしめているという意味なんですよ。無風の中でチユーアップして実際の風の中でも高精度を発揮したという例はあるでしよう。私も個人所有の100ヤード地下射場(2箇所)で撃った経験が数回あります。無風、風の中の違いはかなり以前に自ら経験してます。同じ66grのブレットでもシェイプ、ダイの種類などで、風に強いYawと関係したブレットすなわちチユーニングしやすいブレットは確かに存在します。例えば昔のバーガー68gr、現在のファーラー66grがこれに当たります。これもバレルによって微妙な差があることも事実です。例えば最近流行りのオージャイ数値の大きいブレットはドライビング・バンドの幅が小さく全長から見たバランスのポイントはかなり後方にあります。コアの先端がジャケット内の何処まできているか・・・またその突端がどんな形状であるか…一方に鉛が偏っていた場合、またはファイナル・フォーミング・ダイのセンターがパーフェクトに近くないとこれもバランスの問題が起りYawに関係してきます。シーテイング・デイプスも間接的にYawと関係してるんです。詳しく書くとかなりページをとられるのでこの件に関しましては飛ばします。
オージャイ数値の大きなブレットのチユーニングの幅(ベンチ界ではウインドウ/窓といいます)は狭いです。ブレット・シーテイングの度合いが敏感なのもこのタイプの特徴です。
ですから長瀞でよくなかった・・・野外でよかった・・・たまたま偶然にそうなったのでしようね。意図的にそうしたということではなかったと考えられます。このようなことを一切無視し、そんなことは関係ないんだ・・・ということで射撃をやるのも一つの方向です。極端なことを言えば馬鹿に徹するということです。知らないことは逆に心配を生みません。日本で言う無我の境ですか・・・しかし野外じゃコンデションがあるんでそれでは通用しませんが・・・BRの世界は知れば知るほど底が見えません。ガンスミスはともかくシユーターは知らなくていいことも結構あると以前の講習会でしたか話しました。中にはこの意見に反発を感じた人もいたはずです。
さてこの解答を読むかたの中にはSBシユーターもいるはずです。特定のロットでは当たるがそれ以外ではダメだとか・・・実を言えばこれもYawが少なからず関係してるんですよ。野外と室内でテストしてみることです。.22LR・・・これも掘り下げると底が見えません。
Good Shooting
Wildshot